子供の病気一覧

病名をクリックすると内容をご確認できます。

No6 炊飯器 排気口やけど

子供の焼けども多い。最近しばしば見るのが、炊飯ジャーの蒸気排気口による
やけどである。
写真は三歳児健診でのものです。1歳六ヶ月の時炊飯ジャーでやけどした。
幸い火傷後の拘縮なく、機能異常なく治ったが、その後が今も残っている。
くれぐれも注意したいものである。

 

No7 川崎病 BCG痕変化

川崎病ではしばしばBCG
跡が発赤、痂皮形成、小膿庖
を呈し、診断の助けになります。

No8 虫切り

30年程前の外来で見ました。10か月くらいの乳児でした。
虫きり、ということで、乳児の背中に切り傷がつけられていました。
最初見たときは、ビックリしました。2例経験しました。
2例とも、伊賀に隣接する奈良県にて、おこなっていました。

虫きり

癇の強い子は実際にいるし、外来でもよく質問されます。
「疳の虫封じ」として手のひらに梵字を書いたり、虫封じのお札を切って飲ませたり、神社に虫封じのお参りに行ったりすることはこれまでもよく聞きます。
けれども、この例のように、実際に切り傷をつける例は珍しい。・・

N09 スポーツドリンクによる虫歯

小児科診察で、口腔内を見ますが、時にひどい虫歯を見ます。
スポーツドリンクを就寝時に哺乳瓶に入れて飲んでいた例が多い。

スポーツドリンクは発熱時や下痢のとき経口補液として適しています。
小児科外来でも、下痢や発熱の時には脱水を防ぐためにも、スポーツドリンクを
飲ませてあげてといいますが、通常の食事が取れているなら、特に必要とせず、
お茶がよいです。
スポーツドリンクは、5%ほどの糖液を含み、虫歯の原因になります。
特に、哺乳瓶に入れて、長くくわえさせていたり、就寝前に
与えてはいけません。注意してください。

No 10 パッチンゲームと皮下出血

小学校5年生男児。発熱持続で来院。
検査の採血しようとすると、上腕伸側部に不自然な皮下出血斑。これはどうしたのと問えばパっチンゲームのためだという。今流行っているゲームで紙に鉛筆を輪ゴムでとめてたたきつっけるのだという。

状況はもうひとつよく理解出来なかった。
話し振りからすると、この子はやられたと言う意識はないようだ。状況によっては、いじめともなってしまう危ういものである。

No 11 紐をくわえて遊んでいたら

口周囲の湿疹は子供ではよく見られます。
この例はちょっと特異でした。
よく聞けば、口にひもをくわえて擦っていたとの事。
摩擦による皮膚障害。子供はいろんな遊びをするものです。

No12 レントゲン異常陰影

6歳女児、右上肺野に孤立性の異常陰影を認めました。
あれ、おかしい。よくみれば髪を束ね結んでいる。
今度は髪を持ち上げて固定してレントゲン再検査すれば、
異常陰影はありませんでした。

No13 マイコプラズマ感染症の発疹

マイコプラズマ感染では多様な発疹を伴うと書かれていますが、
よく経験するのは多型紅斑様のものです。
今回、丘疹状紅斑性発疹を経験しました。初めて経験する発疹でした。
マイコプラズマによるとは全く思いませんでした。
紹介先病院で抗体陽性で、マイコプラズマ感染と診断されました。
12歳女児で、39℃の発熱きたし、翌日より顔面に境界明瞭な丘疹状紅斑性発疹出現し、 体幹、四肢にも出現。そう痒は軽度。
ジスロマック内服により、翌日より解熱、発疹も徐々に消失。

No14 子どもの誤飲に注意

母親のブレスレット

 

母親の指輪

ボタン電池

No15 カメムシ皮膚炎

 

平成14年11月
6歳男児、突然,股のあたりを痛いといった。
母親が見るとパンツの中にカメムシが一匹いた。
その後,一週間して治らないといって来院した。
写真のように潰瘍形成を伴った病変となっていた。
エキザルベを処方して経過を見ました。
その後来院無く,およそ一ヶ月後の感冒での受診時には軽快していました。
カメムシの分泌液が、敏感な皮膚につくと、やけど状の「皮膚炎」を起こすと書かれてありましたが、初めての経験でした。
おそらく洗濯物にカメムシがついていたのだろう。
平成14年秋は当地ではカメムシが異常に発生しました。

カメムシを踏んで見られる皮膚炎。時に見られます

1歳女児、カメムシを口に入れた、と言う。
翌日より発赤を認め潰瘍形成と伴ってきた。写真は2日後のもの。

No16 ブルーベリーと黒色便

1歳9ヶ月女児、墨のような黒色便がでたと来院。
これまで外来経験のない黒色便であった。
食物による変化と思われ、何かたくさん食べなかったか、
と尋ねたところ
3日前にブルーベリーを3パック食べたという。

NO.1. ゴム輪痕
現在4歳男児、生後7ヶ月頃、首の湿疹が直らず続いた。
その後、首全周にジュクジュクした病変となり
病院受診。これはおかしいと首を伸ばし、
皺を伸ばしてよく診ると、輪ゴムが巻かれていた。
輪ゴムを切り、軟膏処置でその後軽快した。しかし、
写真のような跡が残った。
母親は首に輪ゴムがはめられているとは全く気づかなかった。
2歳の兄がはめたのか、親戚でみてもらっていた時、
そこの子供がはめたのかも知れないと言う。

赤ちゃんの首に輪ゴムがかかっているとは予期せぬ事であるし、
赤ちゃんの首は短く細い輪ゴムが食い込んでいるとなるほど
わからない。

NO。2 ゴム輪痕2
足に遊びでゴム輪をはげて遊んでいた。そのまま放置して写真のような瘢痕となった。
長ズボンで家族も長らくき気づかなかった。それにしてももう少し
早く気づかなかったものかと思う。

NO.3 首にたこ糸
保育園男児、たこ糸が首に引っかかって
写真のような跡を残した。
大事に至らなかったが、危険な事である。

NO.4A 帽子紐の日焼け跡
幼稚園児、ひも付きの保育所の帽子をかぶり、
戸外で遊んでいつ子供。
日焼けして紐跡浮かび上がった。
これは元気の証拠。危険でもない。

NO.4B 猫に引っ掻かれた
3ヶ月たっても線状の跡が残った。

NO.5  熱取りシートあとの皮膚変化
1歳9ヶ月男児、咽頭炎での発熱で4日間、熱取りシートを両側腋下に張っていた。一枚6時間くらい、1日2枚、張っていた。
再来受診の時、熱取りシートを張った皮膚に  一見熱傷様の変化を認めました。ゲル成分による接触性皮膚炎なのでしょうか。 私にははじめての臨床経験です。詳しい方、ご教示ください。

 

運動会たけなわの今は、ぜんそく発作の多い季節でもあります。ゼーゼーと苦しそうに一年ぶりに来院される子どもも少なくありません。

 

気管支ぜんそくは、空気の通路である気管支が収縮して狭くなり、呼吸がしにくくなる病気です。生まれつきに素因として持っている過敏な気管支が、いろいろな刺激に反応し収縮して発作を生じます。

ウィルスや細菌感染でも起こりますが、最も多いのはアレルギー反応によるものです。このアレルギー反応は、家のほこりや、かび、動物のふけ、花粉などが吸入されて生じます。そばぜんそくのように食べて発作が起こる場合もあります。

 

また大気汚染やストレスなどの精神的要因、気候の変化、体調の変化によっても発作が誘発されたり、増悪をきたします。

 

ぜんそく発作は、気管支の炎症を伴う狭窄発作で、全く異常な病態であり、治療により早く正常な状態にもどすことが大切で、発作がおこればがまんは禁物です。

 

発作は軽いうちに気付いて早めに治療すれば早く楽になります。水っぽい鼻汁、くしゃみ、せきなどの後に発作が起こる事が多いので注意して下さい。発作があれば、脱水を防ぎ、タンの切れをよくするため水分を十分に補給し、指示された内服や吸入の家庭での初期治療を行います。それでもおさまらないときは、早めに病院を受診してください。

 

ひどい発作の目安は、息を吸う時にのどの下やみぞおちのあたりが陥没する、苦しくて横になれない、眠れない、口唇や爪のチアノーゼ、多量の発汗、返事をしないなどで、これらの症状が一つでもあれば救急を要します。

 

薬については、発作をおさえる薬と予防する薬があり、また発作がおさまれば中止する薬と発作がなくても続ける薬があります。併用してよい薬と併用してはいけない薬があります。主治医よりよく説明を受けて、理解し正しく服用して下さい。

 

ぜんそく日誌に、あらかじめ主治医に服用薬品名と服用方法を記入してもらい、発作状況と服用薬を親が記入して受診の際に提示するようにしましょう。

 

子どものぜんそくの場合、半数以上は中学入学頃までに治りますが、成人までもちこす例も少なくありません。

ぜんそくとは長くつきあわなくてはなりません。発作が続いていてもがっかりせず、発作がしばらくないからといって油断せず、根気よく治療してゆく事が大切です。

 

 

先程インフルエンザで診察したばかりの子供だが、帰宅後すぐにひきつけた。子供は、急に高熱をきたしてよく熱性けいれんもよく起こす。

熱性けいれんは生後6ヶ月から5歳位によくみられます。

およそ100人に5人の子供が経験し、1度起こした子供の半数は再度起こします。ひきつけやすい遺伝的な要素もあるようです。

 

発作は全身性のもので、突然体を硬直させ手足をつっぱり、頭を後ろにそらせます。

目は一点を凝視し呼吸は苦しそうですが、このため窒息することはありません。

大部分は5分以内におきまり、発熱が続いても再度ひきつけることはまれです。

後遺症を残すことなく、歩けないとか、筋力低下をきたすことなどもありません。脳波も正常です。

 

多くの熱性痙攣は、このような良性のもので5~6歳までに治ってしまう心配のいらないものです。

てんかんや他の病気が考えられる、心配すべき熱性痙攣は以下のような、典型を外れた場合です。

 

①けいれんが二十分以上続く

 

②1曰に何回も起こす

 

③体の片方や一部分だけのけいれん

 

④発達の遅れや神経の病気が在る

 

⑤生後6ヶ月迄に、又6歳を過ぎても起こる

 

⑥熱がないのに起こしたことがある

 

これらの一つで当てはまれば、たとえ1回の痙攣発作でも詳しい検査が必要です。

 

発作の対応ですが、

1. あわてない:たいていのひきつけは手当をしなくても通常5分以内に止まります。また痙攣そのもので命にかかわることはまずありません。

 

2. 口の中に割り箸などを入れない:傷をつけたり無理なこじ開けが刺激になります。また動転した親が体を揺りますが、これも刺激となりよくありません。

 

3. 楽な姿勢で誤飲を防ぐ:安全な場所に移し、衣服を緩め、吐いたものがのどや気管につまらないように横向きに寝かせます。

 

4. 観察する:時計を見て痙攣発作がどのくらい続いているか確かめ、診察のとき話せるようにします。

 

5. 熱を下げる:解熱用座薬があれば、指示された量を使う。また、アイスノンや熱さましのゲルつきシートも使ってよい。

 

6. 病院受診:痙攣が10分以上つづく場合は救急受診が必要です。通常の熱性痙攣なら発作がおさまってから、あるいは翌日診察を受け、脳波検査のことや、痙攣予防の薬に使い方など指示を受けます。

 

熱性痙攣は、心配ないとはいえ防げるものなら防ぐべきです。

繰り返し起こす子供には発熱初期に痙攣予防の薬を使います。

発熱に気づくのが遅く予防の薬を使用するまでに、痙攣を起こしてしまうこともありますが、前もって指導しておくとそこは母親、発熱の前兆に気づき適宜の使用でかなりうまく防げます。

 

「ピーポー、ピーポー」と救急車のサイレンが近づいてくる。いくつになってもこの音には反射的に身構え、緊張するものです。

 

今年も冬から春にかけて「嘔吐(おうと)と下痢の子供を多く診察しました。

ウイルス性胃腸炎で、ロタウイルスやアデノウイルスによるものが多く、ロタウイルスでは白色の下痢便となることもあります。

 

この病気は、きまって吐くことより始まり、何を与えてもすぐもどし、少し遅れて下痢となります。

子供は嘔吐と下痢で水分を失い、元気なく、ぐったりとして親を心配させます。特別な薬はなく、水分を与えて脱水を防ぐことが何よりも大切です。

 

水様性の下痢をしているからといって、水分を与えないでいると、ますます脱水 がひどくなります。下痢の状態でも腸からの水分吸収は良いのです。

 

経口での水分補給がうまくいくと点滴をしなくても済みますが、脱水が進めば点滴輸液が必要となります。

脱水を知るポイントは、舌の湿りと排尿時間です。

みずみずしく湿っていた舌が乾いてきたり、排尿が乳児で十時間以上、幼児で十二時間以上なければ強い脱水です。

そのほか、元気がなくなり、目が落ちくぼんできたり、皮膚の張りがなくなってきたら点滴が必要となります。

 

水分の与え方としては、20ml位の少量より始めます。

吐き気のないことを確かめて、十五分~三十分間隔で水分量を増やします。

嘔吐の強い時には嘔吐止め座薬が使われます。

与える水分は、室温のスポーツドリンクが手ごろでよいでしょう。

適度の電解質と糖が入っていて、点滴成分に比較的近いからです。ごく少量の塩を入れたお茶もよろしい。

嘔吐がなければ欲しがるだけ与えて下さい。

水分もとれて、欲しがるようであれば、下痢のあるときは、消化の良いよく加水した炭水化物から始めます。

やはり昔からのおかゆが一番です。少しだしを入れて薄味をつけてもよろしい。

 

ウイルス性胃腸炎では、腸の粘膜が一時的に乳糖過敏になっており、乳糖負荷がかかると下痢を長びかせるので、乳製品ひかえて下さい。

食餌がとれるようになれば、スポーツドリンクの必要はなく、むしろ虫歯の原因ともなり、お茶で十分です。

 

嘔吐・下痢の胃腸炎の場合も腹痛を訴えます。

ウイルス性胃腸炎と思っていたら虫垂炎や、腸重積を合併していたということもあります。

腹痛・嘔吐は、心理的なものから重大な病気までの幅広い症状であり、重視すべき症状です。

 

「突発性発疹症と思うのですが」と、はじめて熱を出した赤ちゃんを連れてこられます。

初めての発熱のわりには若い母親自身が落ち着いている。

育児書や育児雑誌などよく読まれており、「きっとここに書かれている突発性発疹にちがいない。高熱が続くが心配ない病気だ」との、予備知識をもっているからであろう。

正しい予備知識をもっていると、あとの説明もしやすい。

 

 

生まれて初めての発熱はすべてこの病気だというわけてはありませんが、およそその八十%が突発性発疹症であり、お母さんの診断がほぼあたります。

 

しかし、突発性発疹症だろうと思っても、一歳未満の乳児であり、やはり小児科を受診して下さい。以前も「突発だと思いみていましたが、なかなか熱が下がらず発疹も出ません」と発熱五日目にやっと連れてこられ、結局腎臓と尿管の奇形を伴った尿路感染症であった例がありました。

 

突発性発疹症は、生後四~五ヶ月から一歳ぐらいの赤ちゃんが、突然高い熱を出し、三~四日続きます。

咳、鼻汁などのかぜ症状は目立ちませんが、下痢を伴うことは比較的多い。発熱のために多少の不さげんや、食欲不振がみられますが、他の原因による発熱にくらべれば、赤ちゃんはずっと元気です。

 

 

特徴的な赤い発疹は、三~四日続いた高熱が下がると同時に全身に出現します。

発疹はいくぶん風疹に似たものですが、はしかや風疹とは全く別の病気です。発疹は二~三日であとを残さずに消えます。

 

 

突発性発疹症は、おそらくウィルスによるものであろうと考えられていましたが、正確なところは不明のままでした。

一九八八年、阪大微研の山西博士により、ヒトヘルペスウィルス番(HHV-6)が、原因ウィルスであると証明されました。

その後、ヒトへルペスウィルス7番(HHV-7)も、同様の症状を呈することがわかりました。

「これは突発性発疹ですね」と言うと、「以前に一度かかりましたが、2度かかるのですか」とけげんに問われます.

突発性発疹の2度がかりは知られていましたが、どうも2回目の突発は月月HHV-7によるものらしい。

 

突発性発疹症の潜伏期間は、八~十四日(平均十日)て、季節の変動なく年中みられます。

合併症は通常ありませんが、高熱に伴い全身性の痙攣がまれにみられます。

突発性発疹らしいという事は言えてもはっきりとした診断は熱が下がり発疹が出てからやっとつくものです。

それまでの高熱のときは、髄膜炎や肺炎、敗血症などの重い病気の事も考えてみていかなくてはなりません。

療は特別なものはなく、高い熱に対する一般的な対応が中心となります。

 

解熱剤の使用にあたっては、用量・用法に十分注意して下さい。過量となると低体温となり危険です。

 

 

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